2025.6.22
Instagramショップが進化!今こそEC企業が知るべき最新アップデートと活用法

2025年に入り、Instagramのショップ機能が大きく進化しています。
かつては「とりあえず商品を並べて終わり」だったInstagramショップも、今ではAIレコメンドやストーリーズ・リールとの連携強化により、“買いたくなる導線”を設計できる販促ツールへと変化しています。
実際に、EC事業を展開する企業の中には、Instagram上でのショップ機能を活用して、リーチ・興味喚起・購入のすべてを一気通貫で完結させているケースも増えてきました。
一方で、ショップ機能の仕様変更や運用画面の改善により、「何がどう変わったのか分かりづらい」と感じている企業担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、Instagramショップ機能の最新アップデート内容を整理しながら、EC企業が成果を出すために押さえておくべきポイントをわかりやすく解説していきます。
さらに、実際にショップ機能を活用して成果を上げている企業の事例や、2025年後半に向けたEC運用の展望にも触れながら、“売れる導線設計”の考え方と実践方法を紹介します。
目次
1. Instagramショップ機能の最新アップデート(2025年版)

2025年上半期、Instagramショップ機能は複数のアップデートが実施され、「魅せるショップ」から「買わせる導線」へと進化を遂げています。以下では、注目すべき3つの変化について解説します。
① 購入導線の再設計|商品タグ・リール経由が主戦場に
かつては「ショップ専用タブ」やプロフィール上のショップページから商品を一覧で見せる形式が主流でしたが、現在はユーザーの閲覧動線そのものが変化しています。
・リール動画内の「商品タグ」から直接ショップへ
・ストーリーズ内に設置できる「商品リンク」から購入ページへ
・フィード投稿でも、画像内の商品タグからスムーズに遷移
このように、“閲覧→興味→購入”の流れをいかに自然に組み込むかが、今後の売上に直結するカギとなっています。
② MetaコマースマネージャーのUI改善
Instagramショップを管理する「Metaコマースマネージャー」も、運用のしやすさが格段に向上しています。
・商品登録や編集のフローが直感的に
・カテゴリやセット商品の管理がしやすくなった
・Instagramとの連携エラー時のサポート機能が強化
これにより、社内運用でもスムーズに商品管理・更新が可能となり、キャンペーン連動や季節ごとの訴求にも柔軟に対応できるようになりました。
③ AIレコメンドの精度向上と表示ロジックの変化
近年強化されているのが、AIによる「おすすめ商品」表示の精度向上です。ユーザーの行動や興味に応じて、
・「リールを見ていたら突然おすすめ商品が出てきた」
・「閲覧履歴やいいね履歴に基づくショップ提案が表示された」
など、「発見から購入」までの導線をアルゴリズムが後押ししてくれるようになっています。
これにより、ショップ運用側は単に商品を投稿するだけでなく、“見つけてもらう設計”と“クリックさせる見せ方”が求められるようになっています。
2. 売れるInstagramショップはここが違う!成果を出している企業事例

Instagramショップのアップデートに対応しながら、実際に“売れる導線”を作り出している企業はどんな工夫をしているのでしょうか。
ここでは、EC企業の中でもInstagramをうまく活用している事例を紹介します。
ニトリ|ストーリーズ×商品リンクで“欲しい”を刺激

ニトリのInstagramアカウントでは、ストーリーズを使って商品紹介をする際に、実際の生活シーンや季節感を取り入れた演出がされています。
たとえば、「部屋がすっきり見える収納グッズ特集」のストーリーズでは、収納グッズのビフォーアフターを見せた後に、商品リンクを配置。
ユーザーが「これいいかも」と思ったタイミングでスムーズに商品ページに遷移できるように設計されています。
ポイント:
・商品ではなく「活用シーン」を見せている
・リンクの設置タイミングが的確で、自然な遷移を誘導している
無印良品|リール×商品タグで視覚的に“使い方”を伝える

無印良品のリールでは、収納用品やキッチンアイテムなどを数十秒の動画で実際の使用シーンを見せながら紹介しています。
リール内に複数の商品タグを埋め込むことで、気になったアイテムをすぐにタップ&閲覧できる導線が作られており、フォロワー以外の層にもリーチできる仕組みになっています。
ポイント:
・商品タグをリールに自然に馴染ませている
・動画内容に“商品タグをタップする理由”がちゃんとある
中小ブランド(例:セレクト系アパレル)|AIレコメンドを意識した投稿戦略
大手に限らず、個人運営のECブランドでもInstagramショップを活用して成功している例があります。
たとえば、あるセレクト系アパレルでは、「おすすめ商品」に表示されやすいよう、投稿の統一感や人気アイテムの再投稿などを行い、AIレコメンドに乗るための戦略的投稿を実施。
結果、商品ページへの遷移率が大きく向上し、売上にも直結する成果が出ています。
ポイント:
・投稿の“見せ方”でAIレコメンドをコントロール
・ショップページに来る前の“発見導線”を重視
3. EC企業が取り入れるべき運用のコツ【2025年版】

Instagramショップ機能が進化したとはいえ、ただ商品を並べるだけでは売上にはつながりません。
成果を出している企業に共通するのは、“商品を魅せる工夫”と“導線の最適化”を一体で考えていることです。ここでは、すぐに取り入れられる運用のコツを紹介します。
① 商品PRではなく「使い方・シーン訴求」が鍵
ユーザーは“買い物目的”でInstagramを開いていません。だからこそ、単に商品を見せるのではなく、「どんなふうに使えるか」や「どんな課題を解決できるか」といった文脈が重要です。
例:
・【NG】ただの商品写真+価格+説明文
・【OK】「夏の暑さ対策、これで快適に」→ 扇風機や冷感グッズを使っている生活シーンの写真
使い方が見えることで、ユーザーの想像が“欲しい”につながります。
② 商品タグの活用は「配置」と「数」がカギ
フィード投稿でもリールでも、商品タグはタップ導線として非常に有効ですが、使いすぎると逆効果になることもあります。
・1投稿あたりのタグは2〜3点までに絞る
・タグを目立つ位置に置きすぎず、自然なレイアウトにする
・タグをつけるタイミングも“動きに合わせる”とクリック率が上がる(特にリール)
導線は「貼ること」ではなく、「タップしてもらうこと」が目的です。
③ ストーリーズ活用は“毎日小出し”で認知を育てる
ストーリーズでは、「24時間限定」の特性を活かして、新商品やセール、使い方紹介などを定期的に発信するのが効果的。
・毎日1~3投稿を小出しにして、飽きさせずに露出
・商品リンクやアンケート・クイズを組み合わせてエンゲージメント向上
・「過去のストーリーズ」はハイライトで整理 → 店舗代わりのカタログに
ストーリーズは“今すぐ買ってもらう”だけでなく、“今知ってもらう”にも重要なツールです。
④ 外部EC連携は「商品ページの最適化」も忘れずに
日本ではInstagram内でのチェックアウト機能が使えないため、商品タグやリンクから外部ECサイトに飛ばす形になります。
このとき重要なのが、遷移先の商品ページの完成度です。
・スマホ表示に最適化されているか
・商品の魅力がパッと伝わる構成か
・カートボタンがわかりやすい位置にあるか
せっかくInstagramから興味を持ってくれたユーザーを取りこぼさないためにも、「Instagram→遷移後」までの導線全体を設計する視点が求められます。
4. Instagram×ECの今後|2025年後半に向けて何を準備すべき?

Instagramショップ機能のアップデートは今後も続いていく見込みです。
2025年後半に向けては、より一層「コンテンツ×コマース」の融合が進み、“発見から購入”までをいかに自然につなぐかが、EC企業にとっての大きなテーマになります。
① 「フォロワー数」よりも「導線設計」が重要に
かつては「フォロワーが多い=売れるアカウント」と考えられていましたが、現在は少ないフォロワーでも売上を伸ばすアカウントが増加しています。
その違いは、「見つけてもらう導線」と「買ってもらう動線」の設計にあります。
・リールや発見タブでのリーチ → 商品タグで遷移
・ストーリーズでの紹介 → そのまま商品ページに移動
・ハイライトで「商品カテゴリ別まとめ」→ カタログ的に見せる
これらの導線がしっかり機能すれば、フォロワーが多くなくても十分に成果が出せる時代になっています。
② SNSは“ブランド体験の場”に
Instagramは、単なる販売チャネルではなく、ユーザーにブランドの世界観を感じてもらう場へと進化しています。
・「トレンドの中で自社商品がどう生きるか」
・「どんな人の、どんな暮らしに馴染むか」
といったストーリーテリングを意識した運用が、商品の価値を高め、ファンを生み出す原動力になります。
③ Metaの今後のコマース戦略にどう備えるか
Meta社は、InstagramやFacebookを中心に「コマースプラットフォーム」としての機能をさらに強化しています。
将来的には、日本国内でもチェックアウト機能の開放や、より高度なリコメンド機能の搭載が期待されます。
そのときに備えて、今から「タグを活用した販売導線の整備」や「商品データの最適化」を行っておくことは、確実に企業の武器になります。
まとめ|Instagramショップ運用は“導線設計”がカギ!今すぐ見直しを
2025年、Instagramショップ機能は大きく進化し、EC企業にとっては“売れるチャンス”がますます広がっています。
・商品タグの活用方法
・リールやストーリーズとの組み合わせ
・Metaコマースマネージャーの改善
・AIによるおすすめ表示の進化
…と、注目すべき変化が次々に起きており、それに応じた運用戦略が求められています。
成果を出している企業は、こうした機能変化をただ追うのではなく、「どう見せるか」「どうつなげるか」を常に考え、導線を設計しているのです。
「フォロワーが多い=売れる」ではなく、
「導線が設計されている=買われる」時代へ。
Instagramを単なる情報発信の場で終わらせず、“売上につながる販促チャネル”として機能させるかどうかは、運用次第です。
「機能の変化に追いつけない」「導線の作り方がわからない」
そんな時は、Instagramショップ運用に強いパートナーと一緒に構築することも有効です。
SNS運用のプロとタッグを組むことで、社内だけでは見落としがちな改善ポイントを可視化し、成果につながる運用体制を整えることができます。
まずは、自社アカウントの「今の導線」を振り返ることから始めてみませんか?