2025.8.7

Xアナリティクス徹底解説|企業アカウントで見るべき指標と改善アクション

SNS運用に力を入れる企業が増える中で、「X(旧Twitter)」の効果をどう測定するかは、担当者にとって大きな課題の一つです。投稿しても反応がいまいち、フォロワーもなかなか増えない…。そんなとき、頼りになるのが「Xアナリティクス」です。

インプレッションやエンゲージメント、プロフィールクリック数、フォロワー数の増減など、さまざまなデータが無料で確認できるXアナリティクス。しかし、実際には「どの数字を見ればいいのかわからない」「見ても改善方法が浮かばない」と悩む声も少なくありません。

本記事では、Xアナリティクスの見方から、企業アカウントが注目すべき指標、そして実際の改善アクションまでを徹底解説します。
SNS運用代行を担当している立場からのリアルな目線も交えて、現場で使える分析と改善のヒントをお届けします。

1. Xアナリティクスとは?|基本機能と確認できる指標

Xアナリティクスは、X(旧Twitter)における投稿やアカウント全体のパフォーマンスを数値で可視化できる無料の分析ツールです。
企業アカウントにとっては、日々の運用成果を把握したり、改善ポイントを見つけ出すために欠かせない存在となっています。

【主に確認できる指標】

指標名意味活用ポイント
インプレッション投稿がタイムライン上に表示された回数投稿が“見られているか”の指標。リーチの広さを示す
エンゲージメント数投稿に対して「いいね」「リポスト」「リプライ」「リンククリック」などが行われた合計ユーザーがどれだけ反応してくれたかを見る
エンゲージメント率エンゲージメント数 ÷ インプレッション数投稿に対する反応の割合。内容の“響きやすさ”を測れる
リンクのクリック数投稿に含まれるURLがクリックされた回数Webサイト誘導の効果を見るのに必須
フォロワー数の推移特定期間の増減がグラフで表示されるキャンペーンや投稿施策が新規フォロワーに与えた影響を分析できる

これらの指標は、単体で見るだけでなく、「セットで見る」ことで意味が深まります。

たとえば、インプレッションは高いのにエンゲージメント率が低い場合、「見られているけど響いていない」可能性があり、投稿内容の見直しが必要です。
逆に、インプレッションは少ないけれどエンゲージメント率が高い場合、「少数のフォロワーに強く刺さっている」投稿と言えるでしょう。

このように、数値は“現場のリアル”を示すヒントにもなるのです。

2. 企業アカウントが注目すべき5つの指標

Xアナリティクスではさまざまなデータが取得できますが、企業アカウントにとって特に注目すべきなのは、以下の5つの指標です。
これらは“フォロワーの増減”や“投稿の反応”だけでなく、「運用の改善につなげられるかどうか」にも直結しています。

1. インプレッション数

投稿がどれだけ多くの人に届いているかを表す基本指標です。
特定の投稿だけが急に伸びていたら、それは「投稿時間」や「話題性」「ハッシュタグ設計」がハマった可能性あり。
複数の投稿のインプレッションを比較して、“届きやすい投稿設計”を探っていきましょう。

2. エンゲージメント数・エンゲージメント率

反応の総数(エンゲージメント数)と、反応の割合(エンゲージメント率)はセットで見るのが基本です。

・インプレッションだけ高くても、反応が薄ければ“見られただけ”

・エンゲージメント率が高いなら、内容が“響いている”

数字が高い投稿を分析して、「どんな話題・トーン・構成」が反応を生んだのか振り返りましょう。

3. リンククリック数

投稿の目的が「Webサイトへの導線」「LPへの誘導」であれば、リンククリック数は最重要指標です。

たとえばキャンペーン告知やサービス案内の投稿などは、「読まれたか」よりも「クリックされたか」が成果の鍵。
クリックが少ないなら、CTA(行動喚起)の言葉や、リンクの置き方を見直す必要があります。

4. プロフィールへのアクセス数

実は見落とされがちですが、プロフィールクリック数は“興味関心のバロメーター”です。
投稿を見たユーザーが「このアカウントどんな人(会社)だろう?」と気になった結果が、この数字に現れます。

ここが高いときは「企業としての魅力」が伝わっている証拠。
このあと紹介するリプライや固定ポストとの相乗効果も見逃せません。

5. フォロワーの増減

シンプルですが、「増えた or 減った」の結果には必ず理由があります。
以下のように、他の指標とセットで見ていくのがおすすめです。

・特定の投稿後にフォロワーが増えた → 新規層への刺さり方を分析

・フォロワーが減った → 投稿内容がズレていた、頻度が多すぎた等のサイン

一喜一憂せず、流れで見る視点を持つことが重要です。

3. 数値を改善につなげる具体的アクション

アナリティクスで数字を“見える化”できても、その後どう改善に活かすかが企業アカウントの運用成果を左右します。
ここでは、主要指標ごとの改善アクションを紹介します。

▶ インプレッションが少ないときは?

インプレッションが伸びない場合、「見られるための工夫」が足りていないことが考えられます。

改善アクション例:

・投稿時間の見直し(朝・昼・夜で分けてテスト)

・トレンド入りしているキーワードを引用

・画像付きポストや動画の活用(視認性アップ)

・ハッシュタグを精査し、検索に引っかかりやすくする

▶ エンゲージメント率が低いときは?

「見られているけど、反応されていない」状態は内容面での工夫が必要です。

改善アクション例:

・質問形式や選択肢で“参加しやすい投稿”にする

・感情に訴えるトピック(共感・驚き・役立ち)を意識

・見出しや1文目を工夫して続きを読みたくなる構成に

▶ クリック数が伸びないときは?

クリックされない場合、「行動したくなる仕掛け」が足りない可能性があります。

改善アクション例:

・CTA(例:「詳しくはこちら」「キャンペーン詳細はこちら」)を入れる

・テキストの中でリンクを埋もれさせない(改行や絵文字で強調)

・ユーザーが知りたい情報の“チラ見せ”をする構成に(例:「実は◯割が知らない事実…」)

▶ プロフィールアクセスが低いときは?

プロフィールクリックは、アカウントへの“関心”の証。そこが伸びないなら、投稿内容が「誰が発信しているか」に結びついていない可能性が。

改善アクション例:

・投稿文に“企業や担当者の温度感”を出す(例:「私たちの現場でも…」)

・企業らしさが伝わるリプライ・固定ポストを意識

・投稿の最下部に「詳しくはプロフィールへ」など導線を入れる

▶ フォロワー数の減少が見られるときは?

減少=悪い、とは限りません。ただし、急激な変動がある場合は運用方針の見直しサインです。

改善アクション例:

・直前の投稿を振り返る(センシティブな表現になっていないか?)

・投稿頻度・タイミングを見直す

・既存フォロワーが求めている“価値ある情報”を再確認

このように、指標ごとに「見る考える改善する」サイクルを回すことで、X運用は確実に前進していきます。

4. リプライ対応から見える“数字に表れない”改善ヒント

Xアナリティクスはとても便利なツールですが、すべてを数字で判断するのは難しいのも事実です。
特に、「ユーザーの気持ち」や「企業に対する印象」といった“温度感”は、数字に表れにくい領域です。

そこで鍵になるのが、リプライ(返信)対応です。

● 現場だから気づける「意外な反応」

たとえば、ある投稿に対してこんなリプライが届いたことはありませんか?

・「これ前から気になってたんです!」

・「実は使ってます。便利ですよね!」

・「こういう情報もっと教えてほしい!」

一見、エンゲージメント数には1件としてしかカウントされませんが、
実際には「共感」や「親しみ」といった貴重なインサイトが含まれています。

● 実際の現場視点:リプライを通じて拾った声からの改善

企業アカウントの運用代行でリプライ対応をしている中で、
「数字では良さそうなのに、思ったより印象がよくない」
「逆に、数字上は平凡でも反応が濃くて深い」
そんな投稿に出会うことがよくあります。

そうした声を蓄積しながら、

・よく使われる表現や言葉をキャプションに反映

・ユーザーの“共感ポイント”を投稿設計に活かす

・実際の反応をチームに共有して運用方針を見直す

…といった改善アクションを日々積み重ねています。

● リプライを「生の声データ」として捉える

アナリティクスの数字だけでは見えない部分にこそ、
企業とユーザーの距離を縮めるヒントが詰まっています。

・数字が低くても、リプライが温かければ「印象形成」は成功している

・内容に対するリクエストがあれば「次回の投稿テーマ」が見えてくる

数字と合わせて、リプライも一つの分析材料として見る視点が、企業アカウントには必要です。

5. 実際に改善して伸びている企業事例

ここでは、Xアナリティクスを活用して運用改善につなげている企業アカウントの事例を2つ紹介します。
どちらも「数字の可視化 → 仮説立て → 投稿改善」という流れを実践して、着実に成果を上げています。

①【株式会社LIG】投稿フォーマットを検証 → インプレッションが約1.6倍に

Web制作やメディア運営で知られるLIGは、Xでも独自の情報発信を継続。
ある時期から、アナリティクスで「投稿フォーマットごとの数値」を比較するようになりました。

・結果、「キャッチーな一言+リンク形式」の投稿が他より高いクリック率を記録

・逆に、真面目なトーンでまとめた投稿はインプレッションは高いがエンゲージメントが低い

これらをもとに投稿をABテスト的に改善。
結果、フォロワー増加率・インプレッションともに約1.6倍まで向上しました。

②【オカムラ(製造業)】エンゲージメント率の改善 → BtoB企業でも高い共感を獲得

オフィス家具などを手がけるBtoB企業・オカムラは、投稿内容が堅くなりすぎないよう試行錯誤を重ねていました。
アナリティクスで数値を振り返る中、製品紹介よりも「開発裏話」や「社員の一言」投稿のエンゲージメントが高いことに気づきました。

そこで、

・開発エピソードやちょっとした日常ネタを週に1本取り入れる

・固定ポストに“会社の温度感”を伝える内容を設置

といった工夫をした結果、エンゲージメント率が従来の約1.8倍に改善。
BtoBでも“共感投稿”が成果を生む好例として注目されています。

参考記事
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このように、数値を「分析して終わり」にせず、仮説と行動につなげる姿勢が、企業アカウントの成果を左右する鍵になります。

6. まとめ|数値の“見える化”が次のアクションを生む

Xアナリティクスは、企業アカウントにとって非常に心強い無料ツールです。
インプレッション・エンゲージメント・クリック数など、さまざまな数値を“見える化”することで、SNS運用の現在地と改善のヒントが浮かび上がってきます。

ただし、見るべき数字を見極め、それをどう読み解き、どう行動につなげるかがカギ。
また、ととのようにリプライ対応など実際のユーザーとの接点を持っている立場だからこそ得られる“生の声”は、数値だけでは見えない大切な要素です。

・数字を見る

・ユーザーの声を聞く

・改善アクションを試す

・また数値で検証する

このサイクルを丁寧に回していくことが、企業アカウントの信頼・共感・成果の積み上げにつながります。

「なんとなく運用」から「根拠ある運用」へ。
Xアナリティクスを活用して、一歩先のSNS運用へ進んでいきましょう。

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