2025.12.18

採用Instagramの始め方|応募につながる企業アカウント設計の基本

企業の採用活動において、Instagramを活用する企業が一気に増えています。とくに若い世代にとって、Instagramで企業の雰囲気を調べることは当たり前になっており、応募前の“情報収集ツール”として強く意識されています。求人媒体では仕事内容や条件は分かりますが、働く人の様子や会社の空気はほとんど伝わりません。そのため、多くの求職者が「本当に自分に合う会社かどうか」をInstagramで確かめています。

しかし企業側では、Instagramを始めたものの成果が出ないケースが少なくありません。会社紹介を続けても反応が増えなかったり、フォロワーは増えても応募が増えなかったりします。投稿を頑張っているのに成果が出ない理由は、投稿自体の問題ではなく、最初にアカウントの設計ができていないからです。採用Instagramは、投稿内容や見せ方よりも“最初の設計”が最も大切です。ここが整わないまま運用を始めてしまうと、内容がブレたり、求職者が知りたい情報を発信できなかったりして、応募につながる流れを作れません。

採用Instagramの役割は「応募者を増やすこと」ではありません。求人媒体では伝わらない会社の魅力や雰囲気を見せ、求職者が企業を理解し、安心して応募できる状態をつくることです。これを理解せずに運用を始めてしまうと、求人広告の延長のような投稿が増え、求職者が本当に知りたい情報を届けられなくなります。

本記事では、企業SNS担当者が実務で使える内容として、採用Instagramの設計方法を体系的に解説します。最初の設計をきちんと整えることで、投稿の方向性が決まり、求職者に届くアカウントに育てることができます。採用Instagramをこれから始める企業、すでに運用しているが成果が出ていない企業のどちらにも役立つ内容として、分かりやすくまとめていきます。

第一章 採用Instagramの目的は「応募」ではなく“理解と納得”

多くの企業が採用Instagramの目的を「応募につなげること」だと考えています。しかし、Instagramは求人広告とは違い、条件を見て応募を判断する場所ではありません。求職者がInstagramで知りたいのは、企業の空気感や働く人の様子など、求人票では伝わらない部分です。つまり採用Instagramの本当の役割は、応募する前の“理解”と“納得”をつくることです。

求職者は次のような疑問をInstagramで確認しています。

どんな人が働いているのか。
会社の雰囲気が明るいのか落ち着いているのか。
仕事内容が自分に合いそうか。
企業がどんな価値観を大切にしているか。
自分が働く姿をイメージできるか。

求人媒体では条件を比較できますが、雰囲気までは分かりません。だからこそ、Instagramの役割は「雰囲気を可視化すること」です。条件面の説明よりも、働く人の個性や職場の空気を伝える方が、求職者の判断材料として重要です。

採用Instagramで成果を出している企業ほど、最初から目的を「応募前の理解づくり」に設定しています。この考え方があると、投稿内容の選び方が変わり、求職者が知りたい情報を自然に届けられるようになります。逆にここを理解していないと、求人票のコピーのような投稿ばかりになり、反応が伸びません。

企業が採用Instagramを活用する上で最初に押さえるべきことは、求職者の視点です。求職者は応募する前に安心したいと考えており、その安心材料をInstagramで探しています。この役割を理解することで、投稿内容の方向性が定まり、アカウント全体の質が大きく変わります。

参考記事→担当者の見える投稿で信頼をつくる|住宅業界Instagramの“中の人”活用法

第二章 求人媒体とInstagramの役割を分けると効果大

採用Instagramを成功させるために最初に理解しておくべきことは、求人媒体とInstagramでは役割が大きく違うという点です。この役割を混同したまま運用を続けると、採用活動全体の流れが不自然になり、企業側が期待している成果が出にくくなります。逆に、役割を分けて考えられる企業は、求職者が情報を受け取る順番に沿った設計ができるため、応募率が上がりやすくなります。

求人媒体は、求職者が条件を検索して応募の判断をする場所です。給与、勤務地、勤務条件、休日、資格などの情報を整理し、他社と比較しながら応募するかどうかを決めます。求職者は、仕事内容や待遇に問題がないかを確認するために求人媒体を活用しています。つまり求人媒体は、応募の最終判断をするための機能を持っています。

一方でInstagramは、条件ではなく「雰囲気」を確認するために使われています。求職者が気にしているのは、働く人の表情や話し方、職場の空気、価値観、コミュニケーションの取り方など、求人票では伝わらない情報です。とくに若い世代は、会社選びで「雰囲気が合うか」を非常に重視しています。求人票だけでは判断できないため、Instagramで企業のリアルを見ようとします。

この二つの媒体には、一つの共通する役割があります。それは「求職者の不安を減らす」ことです。ただし、不安を減らすために提供する情報が異なります。求人媒体は条件の不安を減らし、Instagramは雰囲気の不安を減らします。どちらも重要ですが、目的が違う以上、掲載する内容も自然と変わるべきです。

採用Instagramを始める企業の多くが陥るのは、求人媒体の情報をそのままInstagramで発信してしまうことです。しかし、求職者はInstagramで条件を知りたいわけではありません。条件は求人媒体で確認するため、Instagramで必要なのは「実際に働く様子」や「価値観の共有」です。この違いに気づくことが設計のスタートです。

役割分担を整理すると、採用活動全体の流れが分かりやすくなります。

求人媒体
条件を詳細に伝える場所。応募判断のための情報提供をする。

Instagram
働く人や価値観を伝える場所。応募前の理解と納得をつくる。

ホームページ
企業の制度や実績を確認する場所。公式情報を深く知るために使われる。

エントリーフォーム
応募を完了する場所。最終的なアクションにつながる。

この流れを整理したうえで採用Instagramを設計すると、求職者が情報を受け取る順番に沿ったスムーズな導線ができます。求職者は、Instagramで企業に好感を持ち、求人媒体で条件を確認し、ホームページで制度や雰囲気を確認し、最後にエントリーフォームへ進みます。この一連の流れが整うことで、応募率が大きく変わります。

採用Instagramの目的は、求人媒体への誘導を自然に生み出すことです。しかし、企業が伝えたいことと求職者が知りたいことがずれると、誘導が生まれにくくなります。求職者は「自分が働くイメージができるかどうか」で企業を判断しています。条件面だけでは判断できないため、Instagramで働く人の姿を見せる必要があります。

ここで意識すべきは、求人媒体とInstagramを「別の媒体」ではなく「役割の違うパートナー」として扱うことです。それぞれの良さを生かし、役割を分けることで、企業全体の採用力を高めることができます。Instagramは、採用活動の最初の接点をつくる媒体であり、求職者の心を動かすための重要な役割を担っています。

第三章 採用Instagramは細かいペルソナより“採用ターゲット像”が大切

採用活動ではよく「ペルソナを設定しましょう」と言われます。しかし、採用Instagramでは細かいペルソナ設定は向いていません。理由は三つあります。一つ目は、求職者の行動が多様であり、特定の一人に絞ると投稿の幅が狭くなるからです。二つ目は、採用対象が複数職種にまたがる場合が多く、特定の人物像に合わせようとすると情報が偏るからです。三つ目は、細かく設定したペルソナが実際の応募者像とずれやすく、運用が迷走するリスクがあるからです。

採用Instagramで重要なのは、細部まで作り込んだペルソナではなく、もっとシンプルな「採用ターゲット像」です。ターゲット像とは、企業がどんな人に来てほしいかを大まかに定義したものです。細かい個人設定ではなく、方向性を示すイメージと考えると分かりやすいです。

採用ターゲット像は次の三つで整理できます。

一つ目
どの職種を採用したいか。
採用Instagramは職種に合わせて見せる内容が変わります。たとえば営業職ならコミュニケーションの活発さや職場の動きが分かる動画が必要です。事務職なら落ち着いた雰囲気やチームワークの様子が伝わる写真が効果的です。まずは「誰を採用したいのか」を決めることが投稿全体の方向性につながります。

二つ目
どんな価値観を持つ人が会社に合うか。
採用活動はスキルだけでは決まりません。価値観の相性もとても大切です。挑戦が好きな人が向いている会社もあれば、丁寧さやルールを大切にする人が向いている会社もあります。価値観を明確にすることで、投稿の内容や言葉選びが安定し、求職者が「自分に合っているかどうか」を判断しやすくなります。

三つ目
求職者が応募前に抱えやすい不安を理解すること。
求職者は応募する前に必ず不安を感じます。「本当に馴染めるだろうか」「仕事内容が難しくないか」「人間関係はどうか」「自分に務まるだろうか」などです。企業がこれらの不安を想像し、その不安を解消できる投稿を作ることで、安心して応募できる環境が整います。

採用ターゲット像を決めるメリットは、投稿がブレなくなることです。採用Instagramでよくある失敗は、投稿する内容がバラバラになり、何を伝えたいアカウントなのか分からなくなることです。ターゲット像が決まっていないと、毎回テーマが変わり、企業の魅力が伝わりにくくなります。

採用ターゲット像が明確だと、必要な投稿テーマが自然と決まります。社員紹介では「どんな働き方が向いているか」を伝え、仕事内容紹介では「仕事内容をイメージできる情報」を優先できます。また、企業文化を伝える投稿では「価値観に合う人が魅力を感じる内容」に統一できます。このように、ターゲット像は投稿全体の軸を作る役割を持っています。

さらに、採用ターゲット像が明確だと、写真や動画の見せ方も変わります。たとえば若い世代を採用したいなら、テンポの速い動画や明るい雰囲気が好まれます。経験者を採用したいなら、落ち着いたトーンで専門性が分かる見せ方が効果的です。誰に向けて情報を届けるのかが定まると、投稿の作り方も統一しやすくなります。

採用Instagramで成果が出ない企業の多くは、ターゲット像が曖昧です。広く見てもらおうとすると、結局誰にも届かない発信になってしまいます。逆に、少し絞るだけで求職者の理解が深まり、応募につながる流れが生まれます。採用ターゲット像は、細かく作り込む必要はありませんが、企業がどんな人を求めているのかを分かりやすく言語化することが大切です。

採用Instagramは、企業と求職者が出会う最初の場所です。そのため、企業側が「どんな人に来てほしいか」を明確に示すことで、求職者は投稿を見るたびに自分との相性を判断できます。この積み重ねが、応募する勇気につながります。

第四章 採用Instagramで最初に整える三つの設計要素

採用Instagramを成果につなげるには、運用を始める前に三つの設計要素を必ず整える必要があります。この設計ができていないと、どれだけ投稿を作り続けても応募につながる流れが生まれません。逆に言えば、この三つの設計がある企業ほど、アカウントの方向性が安定し、求職者が迷わず情報を受け取れる状態になります。

この章では、その三つの設計要素を順に整理していきます。


世界観の統一は“企業イメージの基盤”になる

採用Instagramで最も重要なのは、世界観の統一が企業イメージそのものになるという点です。求職者は数秒で企業アカウントの印象を判断します。投稿の色味がバラバラだったり、写真の写り方が毎回違ったりすると、企業としての信頼感が薄くなり、応募につながりにくくなります。

世界観を統一するためには、次の要素を事前に決めておくことが効果的です。

・写真の明るさや色の統一
・社員を写す際の構図や距離感
・動画のテンポや撮影スタイル
・文字入り画像のフォーマット
・アカウント全体のトーン

これらを統一することで、求職者は「整っている企業」「丁寧に運用している企業」という印象を持ちます。信頼が高まると、応募への心理的ハードルも下がります。


投稿ジャンルは四つに固定してブレをなくす

採用Instagramの運用で失敗しやすいポイントの一つは、投稿ジャンルが毎回変わってしまい、何を伝えるアカウントか求職者が理解できなくなることです。

投稿ジャンルは次の四つを基本として固定します。

・社員紹介
・仕事内容紹介
・社風や価値観の紹介
・リール動画

この四つを軸にすると、企業側も投稿内容で迷わなくなり、求職者にとっても分かりやすいアカウントになります。特にリール動画は、働く人のリアルな表情や空気感を伝えられるため、四つの中でも優先度が高いジャンルです。

投稿ジャンルを固定することで、企業の魅力がしっかり伝わり、“何となく運用しているアカウント”から“目的を持って発信しているアカウント”へと印象が変わります


応募までの導線設計は最初に整えるべき仕組み

採用Instagramの役割は、投稿を見た求職者が応募サイトに迷わず進める状態をつくることです。どれだけ良い投稿があっても、応募までの導線が弱いと、求職者は途中で離れてしまいます。

導線設計で整えるべきポイントは次の三つです。

一つ目
プロフィール欄に採用ページのリンクを設置する。
求職者が迷わず応募ページへ移動できるようにします。

二つ目
プロフィール文に、企業の魅力や歓迎する人物像を分かりやすく記載する。
ここで興味を持ってもらうことで、投稿を見る行動につながります。

三つ目
ストーリーズのハイライトに、会社紹介・採用情報・社員紹介を整理してまとめる。
求職者はハイライトをよく見るため、情報を探しやすくすることが重要です。

導線設計が整っていないアカウントは、どれだけ投稿が優れていても応募率が上がりません。
逆に、導線がしっかりしているアカウントは、求職者が迷わず次の行動に進めるため応募につながりやすくなるという特徴があります。


設計が整っている企業は採用活動全体がスムーズになる

採用Instagramの設計ができていると、投稿内容や担当者ごとの判断がブレず、運用が止まることも少なくなります。さらに、求人媒体やホームページと役割が分かれるため、採用活動全体の流れが整理され、応募から入社までのプロセスがスムーズに見える化できるメリットがあります。

企業が採用Instagramで成果を出すためには、テクニックよりも設計が重要です。
この章で紹介した三つの設計要素は、どの企業でも必ず整えるべき基礎です。

参考記事→【2025年最新版】Instagramコラボ投稿を成果につなげる実践的な活用法と失敗回避策

第五章 採用Instagramの運用は最初の30日で方向性が決まる

採用Instagramは、投稿を積み重ねれば自然に成果が出るわけではありません。最初の30日でどれだけ基礎を固められるかによって、その後のアカウントの伸び方が大きく変わります。ここでは、企業が最初の1カ月で必ずやっておくべき実践ステップをまとめます。

最初の30日で整えるべきポイントは、次の三つです。


1. 投稿テンプレートを作り、統一された世界観を固める

採用Instagramでは、投稿のテンプレートを最初に作ることが成功の近道です。テンプレートがない状態で運用を始めると、投稿の雰囲気が毎回変わり、企業イメージが安定せず“なんとなく運用している”印象を与えてしまいます

最初の30日で決めるべきテンプレートは次の通りです。

・社員紹介用テンプレート
・仕事内容紹介テンプレート
・企業文化(社風)紹介テンプレート
・リール用の動画構成テンプレート

テンプレートがあると、投稿づくりが早くなり、企業としての一貫性も保たれます。求職者は「整った発信をする企業」に安心感を抱くため、応募の心理的ハードルも下がります。


2. 月に何本投稿するか「投稿計画」を決めておく

採用Instagramは、思いついた時に投稿するだけでは成果につながりません。求職者が必要としている情報を、適切なタイミングで届ける仕組みが必要です。そのために最初の30日で 投稿計画を作成することがとても重要 です。

投稿計画に入れるべき内容は次の三つです。

・月に何本投稿するか
・四つの投稿ジャンルの比率(社員紹介・仕事内容・社風・リール)
・撮影日・編集日・投稿日のスケジュール

特に四つの投稿ジャンルの比率を決めることで、内容の偏りを防ぎ、求職者が知りたい情報をバランスよく届けられます

また、運用初期は社員紹介や職場風景の投稿を多めにすると、求職者に安心感を提供できます。


3. ハイライトで“企業の魅力が一目で分かる状態”を作る

採用Instagramで多くの企業が見落としているのが ストーリーズのハイライト設計 です。求職者は必ずハイライトを見ます。ハイライトが整理されていないと、企業の魅力が伝わらず、応募の動機につながりません。

最初の30日で次の三つをハイライトにまとめます。

一つ目
企業紹介(事業内容・理念・価値観)

二つ目
社員紹介(働く人の雰囲気が分かる情報)

三つ目
仕事紹介(仕事内容や一日の流れ)

ハイライトが分かりやすく整理されていると、求職者は企業を短時間で理解でき、「この職場なら働けそう」という安心感を持ちやすくなります


4. 最初の30日は“分析より投稿量”が優先

運用開始直後は、分析に時間を使いすぎないことがポイントです。最初の30日で必要なのは投稿を蓄積して、求職者に見える情報を増やすことです。分析は投稿数が一定量ないと効果的に行えません。

初期段階で意識すべき指標は次の二つだけです。

・プロフィールアクセス数
・投稿保存数

この二つは、求職者の興味関心の強さを測る指標です。保存数が増えていれば、求職者の理解につながる投稿ができている証拠になります。


5. 最初の30日で“企業の魅力を可視化する”ことが最優先

最初の30日で重要なのは、求職者が安心できるだけの情報量をそろえること です。投稿数が少ないと、求職者が企業の雰囲気を判断できず、応募につながりにくくなります。

逆に、世界観が統一された状態で複数の投稿が並んでいると、求職者は企業の魅力を短時間で受け取ることができ、応募までの流れが自然に生まれます

採用Instagramは、最初の設計と初期30日で土台が決まる媒体です。この期間を丁寧に整えることで、企業全体の採用力が大きく向上します。

第六章 採用Instagramでよくある失敗とその回避方法

採用Instagramは、多くの企業が導入していますが、思うように成果が出ないケースも少なくありません。これらの原因は投稿のクオリティではなく、運用の考え方や設計のズレにあることがほとんどです。この章では、実務で特に起きやすい失敗を取り上げ、すぐに改善できる回避方法を解説します。


1. 求人広告の延長になってしまう

最も多い失敗は、採用Instagramを「求人広告の延長」として運用してしまうことです。
求人票のコピーのような投稿が続いても、求職者の興味は高まりません。求職者は、条件ではなく「雰囲気や価値観」を知りたいからInstagramを見ています。

求人媒体で伝えるべき内容をInstagramに持ち込んでしまうと、企業の魅力が十分に伝わらず、応募につながる流れが生まれません。

【回避方法】
Instagramでは、働く人の姿を中心に情報を発信します。
社員紹介・仕事紹介・社風紹介という三つの軸を軸にして、求人票では伝わらない情報を優先して届けることが重要です。


2. 投稿ジャンルがバラバラで統一感がない

投稿ごとにテーマが違ったり、写真の色味が毎回変わったりすると、企業の印象が不安定になります。求職者にとって一貫性のないアカウントは、会社としての姿勢が見えづらく、安心して応募を検討することが難しくなります

【回避方法】
投稿ジャンルを四つに絞り、テンプレートを統一します。

・社員紹介
・仕事内容紹介
・社風紹介
・リール動画

ジャンルを固定すると、求職者は「このアカウントを見ると何が分かるか」を理解しやすくなり、企業の魅力が伝わるスピードが一気に上がります


3. 投稿数が少なく、企業の雰囲気が伝わらない

運用開始からしばらく投稿が増えない企業もよくあります。求職者は複数の投稿を見て企業を判断しますが、投稿が少ないと雰囲気が伝わらず、応募につながる判断材料が不足したままになってしまいます。

【回避方法】
最初の30日で投稿を集中的に増やします。
少なくとも 10〜15本ほど投稿が並んだ状態 を作ることで、求職者が安心して企業を判断できるようになります。

投稿数が少ない段階で分析に気を取られるより、最初は「情報量を増やすこと」を最優先する方が成果につながりやすいです。


4. 社員紹介に“人”が写っていない

社員紹介の投稿にも関わらず、人物の顔が写っていなかったり、写真が遠すぎて誰なのか分からないというケースがあります。表情が見えない投稿は、求職者に雰囲気が伝わりにくく、結果として応募率が下がります。

【回避方法】
社員紹介では、顔が分かるレベルの近さで撮影することが必須です。
笑顔、仕事中の姿、真剣な表情など、さまざまな表情があると職場のリアルな雰囲気が伝わります。

求職者が安心するのは、企業の“言葉”ではなく、“人の表情”です


5. ストーリーズとハイライトが整理されていない

採用Instagramでは、ストーリーズのハイライトを見てもらうことが非常に多いです。しかし、ハイライトが整理されていない企業は少なくありません。情報が散らばっていると、求職者は必要な情報を探すのに時間がかかり、途中で離脱します。

【回避方法】
最初の30日で、次の三つのハイライトを整えておきます。

・企業紹介
・社員紹介
・仕事内容
ハイライトが整理されていると、求職者は短時間で企業を理解でき、応募への心理的ハードルが大きく下がります


6. 投稿の目的を分かっていないまま更新している

採用Instagramの目的を「応募数を増やすこと」と誤解した状態で運用してしまう企業も多いです。しかしInstagramの役割は応募を直接増やすことではありません。応募前の理解と納得を作ることです。

目的がずれていると、投稿内容も求職者のニーズからずれてしまいます。

【回避方法】
常に 「求職者が安心できる情報かどうか」 を基準に投稿内容を決めることです。
この視点があるだけで、採用Instagramの質が大きく変わります。


採用Instagramは、テクニックに頼るよりも、基本設計と運用方針の安定が成果を左右します。よくある失敗を回避し、求職者が安心して情報を受け取れる状態を整えることが、応募につながる最短ルートです。

まとめ 採用Instagramは“設計”が成果を左右する

採用Instagramは、投稿を続けることだけでは成果が出ません。どれだけ丁寧に発信していても、最初の設計が整っていなければ、求職者に必要な情報を届けることができず、応募につながる導線も生まれません。つまり、採用Instagramは投稿の量よりも「設計の質」で成果が決まる媒体です。

本記事で解説してきた通り、採用Instagramの運用で最も重要なのは、最初に次の三つを明確にすることです。

・求人媒体とInstagramの役割を分ける
・採用ターゲット像を決める
・世界観や投稿ジャンルを統一する

これらが整うことで、求職者は企業の雰囲気を短時間で理解し、「自分に合っていそう」「安心して応募できそう」と感じるようになります。逆に、この三つが曖昧なまま運用を始めてしまうと、投稿内容がブレやすく、求職者に伝わる情報もぼやけたものになってしまいます。

採用Instagramは、求職者にとって応募前の不安を解消する場所です。求人票では分からない「働く人」「空気感」「価値観」などを、写真や動画を通して可視化することが役割です。そのため、企業が伝えたいことではなく、求職者が本当に知りたい情報を届ける視点が欠かせません

また、最初の30日で投稿テンプレートやハイライトを整えることで、アカウント全体が“採用専用の媒体”として機能します。特にハイライトは、求職者が必ず確認する場所であり、企業の魅力を数分で理解してもらうための最重要パーツです。

よくある失敗として、求人広告のコピーを投稿してしまう企業もありますが、Instagramで求められるのは条件ではなく雰囲気です。求職者は、企業の言葉よりも働く人の表情や姿勢から安心感を得るため、社員紹介やリール動画は非常に効果があります。

採用Instagramの成功は、特別なテクニックではなく、基礎設計と継続的な発信によってつくられます。投稿を積み重ねるたびに、求職者が企業への理解を深め、応募までの流れが自然に生まれていきます。採用活動の成果は、Instagram単体ではなく、求人媒体・HP・エントリー導線と組み合わせて初めて最大化されます

これから採用Instagramを始める企業や、すでに運用しているが成果が出ていない企業は、まずは設計を見直すことから始めてみてください。設計が整うだけで、投稿の方向性が明確になり、求職者に伝わる情報の質も大きく変わります。

採用Instagramは、企業の未来をつくる採用活動の一部です。
最初の設計を整え、企業の魅力を正しく伝えられるアカウントへ育てることが、最も重要な一歩です。

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