2026.6.29
Threadsはフォロワー集めではない?|企業がファンを増やす運用術
目次
はじめに
企業がSNSを運用する目的として、「フォロワーを増やしたい」という言葉を耳にすることは少なくありません。
もちろんフォロワー数は一つの指標ではあります。しかし、Threadsではその考え方だけでは成果につながりにくい場面があります。
実際に企業アカウントを運用していると、フォロワー数が少なくてもコメントが活発で、ユーザーとの関係性が築けているアカウントがあります。反対に、フォロワー数は多くても投稿への反応がほとんどなく、情報発信だけで終わってしまっているアカウントもあります。
Threadsは、情報を一方的に届けるSNSというよりも、人と人とのコミュニケーションを重視するプラットフォームです。そのため、企業が成果を出すためには「どれだけフォロワーを集めたか」ではなく、「どれだけファンとの関係を築けたか」という視点が重要になります。
私たちも企業SNSを運用する中で、Threadsは短期間で数字を伸ばす媒体ではなく、企業の考え方や人柄を少しずつ伝えながら信頼を積み重ねていく媒体だと感じています。
この記事では、Threadsで企業がファンを増やしていくための考え方を、実際の運用現場で感じることを交えながら解説します。
第1章 フォロワー数より関係性が重要な理由

SNS担当者として運用を始めると、どうしてもフォロワー数を意識してしまいます。
月に何人増えたのか。
競合より伸びているのか。
目標を達成できたのか。
こうした数値はレポートにも使われるため、重要な指標であることは間違いありません。
しかし、Threadsではフォロワー数だけでは運用の成果を測れないと感じる場面が多くあります。
例えば、フォロワーが数万人いる企業アカウントでも、投稿への反応は数件というケースがあります。一方で、フォロワー数が数百人でも、毎回コメントが付き、ユーザーとの会話が続いている企業もあります。
この違いは何でしょうか。
それは「企業として認知されているか」ではなく、「企業として親しまれているか」の違いです。
Threadsでは、企業が発信する情報そのものよりも、「この企業の考え方は好きだ」「担当者の視点が面白い」と感じてもらえるかどうかが重要になります。
私たちが運用していて感じるのは、Threadsではユーザーとの距離が近い企業ほど反応が伸びやすいということです。
例えば、
「今日は新サービスのお知らせです。」
だけではコメントは生まれにくいですが、
「このサービスを作るまでに、一番悩んだのは〇〇でした。」
という投稿になると、ユーザーは企業ではなく”人”として発信を受け取ります。
企業担当者が勘違いしやすいのは、「フォロワーが増えればファンも増える」と考えてしまうことです。
実際には順番が逆です。
関係性が積み重なるからこそ、ファンが増え、その結果としてフォロワーも増えていきます。
Threadsは、その関係性を育てやすいSNSと言えるでしょう。
第2章 Threadsのコメント文化を理解する

Threadsの特徴として欠かせないのが、コメント文化です。
Instagramでは「いいね」が中心になりやすく、企業アカウントにコメントを書くユーザーはそれほど多くありません。
一方でThreadsでは、「返信」がコミュニケーションの中心になります。
これは企業にとって非常に大きな特徴です。
投稿が終わりではなく、コメント欄から本当のコミュニケーションが始まるケースが多いからです。
例えば、
「最近SNS運用で感じていることがあります。」
という投稿をした場合、
ユーザーが自身の経験を書き込んだり、別の視点を共有したりすることがあります。
すると、そのコメントに企業が返信し、さらに別のユーザーも参加するという流れが生まれます。
この積み重ねによって、企業アカウントの印象は大きく変わります。
実務の中でも、投稿内容そのものより、コメント欄での対応を見て企業に興味を持つユーザーは少なくありません。
担当者が丁寧に返信している。
一人ひとりの意見を受け止めている。
企業としての姿勢が見える。
こうした積み重ねが信頼につながります。
逆に、コメントが付いても全く返信しない企業アカウントは、「発信しかしない企業」という印象を持たれやすくなります。
Threadsでは投稿数を増やすことよりも、一つひとつの投稿から会話を育てる方が成果につながるケースが多いと感じています。
コメント欄は単なる反応ではありません。
企業の人柄や価値観が最も伝わる場所なのです。
関連記事→Threadsで企業が伸びる理由|共感が生まれる発信の考え方
第3章 企業アカウントに必要なのは「人間味」であって「個人化」ではない
Threadsの運用について話すと、「中の人を前面に出した方が良いですか?」という質問を受けることがあります。
結論から言えば、必ずしもそうではありません。
企業アカウントが目指すべきなのは、「個人アカウントになること」ではなく、「人間味を感じてもらうこと」です。
この違いは非常に重要です。
例えば、企業公式アカウントが突然プライベートな話題ばかり発信したり、個人的な趣味の投稿を続けたりすると、企業として何を伝えたいのかが分からなくなります。
一方で、
「今日は撮影で思った以上に苦戦しました。」
「この企画は社内でも意見が分かれました。」
「お客様からいただいた言葉が印象に残っています。」
こうした投稿は企業の仕事に関係しながらも、人間らしさを感じられます。
実際に反応が良い企業アカウントを見ると、共通しているのは「完璧に見せようとしていない」という点です。
成功事例だけではなく、試行錯誤や悩み、考え方も発信しています。
企業担当者は「失敗を見せると信頼を失うのではないか」と考えがちですが、Threadsではむしろその過程に共感が集まることがあります。
もちろん、企業として発信してはいけない情報や、ブランドイメージを損なう内容は避けるべきです。
しかし、すべてを整えすぎると、ユーザーとの距離は縮まりません。
企業らしさを保ちながら、人としての温度感を伝える。
このバランスを意識することが、Threadsで長く愛される企業アカウントにつながると私たちは考えています。
第4章 ファンを増やす企業は「コミュニティ」をつくっている

Threadsで成果を出している企業を見ていると、フォロワーを集めることよりも、コミュニティを育てることを意識しています。
コミュニティというと大げさに聞こえるかもしれませんが、特別な仕組みが必要なわけではありません。
「またこの投稿が読みたい。」
「この企業の考え方が好きだ。」
「コメントするとちゃんと返してくれる。」
そんな小さな積み重ねが、コミュニティの始まりです。
一方で、フォロワーだけを増やそうとする企業は、キャンペーンやプレゼント企画など短期的な施策に偏りやすくなります。
もちろん認知拡大には一定の効果があります。
しかし、その施策だけでは「投稿が好きだからフォローしている」のではなく、「キャンペーンがあるからフォローしている」状態になりやすく、継続的な関係にはつながりません。
私たちも企業SNSを運用する中で感じるのは、長く反応してくれるユーザーは、企業の価値観に共感しているケースが多いということです。
例えば、SNS運用について発信している企業であれば、
「数字だけを追わない運用を大切にしています。」
という考え方に共感したユーザーが、その後も継続して投稿を読んでくれます。
商品やサービスだけではなく、「この企業はどんな考え方をしているのか」に共感する人が集まることで、自然とコミュニティが形成されていきます。
また、コミュニティを育てる企業は、コメント欄を一つの発信場所として考えています。
投稿だけで終わるのではなく、コメントへの返信や追加の会話も含めて一つのコンテンツとして捉えています。
ユーザーとの会話を重ねるほど、「また参加したい」という気持ちが生まれやすくなります。
Threadsでは、投稿の数よりも会話の積み重ねがファンづくりにつながることを意識すると、運用の方向性が大きく変わります。
関連記事→InstagramとThreadsはどう使い分ける?|企業向け運用戦略を解説
第5章 長期的なファン化戦略は「継続」ではなく「一貫性」
SNS運用では「継続が大切」とよく言われます。
もちろん継続は重要です。
しかし、Threadsでは継続だけでは十分ではありません。
重要なのは、一貫性です。
例えば、今日は採用の話、明日は商品の話、その次は担当者の日記、さらに翌日は急にキャンペーン告知というように、発信テーマが毎回変わると、ユーザーは企業の軸を理解できません。
反対に、毎回違うテーマでも、
「ユーザーとの関係を大切にしている。」
「挑戦する姿勢を伝えている。」
「仕事への考え方を共有している。」
という共通した価値観があれば、企業の印象は少しずつ積み重なっていきます。
実際の運用現場でも、伸び続けている企業アカウントは、投稿内容よりも発信姿勢がブレていません。
毎回違う内容を書いていても、「この企業らしい」と感じられるのです。
企業担当者は、投稿ネタに困ると新しい切り口ばかり探しがちです。
しかし、ファンが求めているのは新しさだけではありません。
「この企業はいつもこういう考え方をしている。」
という安心感です。
そのためには、発信テーマを増やすよりも、企業として何を大切にしているのかを明確にする方が重要です。
また、短期間で成果を求めすぎないことも大切です。
Threadsは、一つの投稿で大きくバズるよりも、日々の積み重ねで企業への信頼が育つSNSです。
投稿を続けるたびに企業の価値観が伝わり、その積み重ねが「ファン」という形になります。
数字だけを見ると変化が小さく感じるかもしれません。
しかし、長い目で見ると、その積み重ねが企業ブランドを支える大きな資産になります。
第6章 Threads運用で成果が出る企業と出にくい企業の違い

ここまで、Threadsでファンを増やす考え方について紹介してきました。
では、実際に成果が出る企業とそうでない企業には、どのような違いがあるのでしょうか。
運用現場で感じる最も大きな違いは、「発信の目的」が明確かどうかです。
成果が出る企業は、「何を売りたいか」よりも、「どんな企業として認識されたいか」を考えています。
一方で成果が出にくい企業は、投稿の目的が毎回変わります。
今日は商品紹介。
明日は採用。
次はキャンペーン。
その次は会社紹介。
テーマが悪いわけではありません。
問題は、それらが一つの企業像につながっていないことです。
また、成果が出る企業は、コメントや返信も運用の一部として考えています。
投稿だけをスケジュール化するのではなく、ユーザーとの会話にも時間を使っています。
逆に、投稿だけを続けて返信をしない企業は、どうしても一方通行の印象になってしまいます。
もう一つの違いは、「成功の基準」です。
成果が出る企業は、
「コメントで新しい気づきが得られた。」
「ユーザーとの会話が増えた。」
「企業の考え方に共感する人が増えた。」
という変化も成果として捉えています。
一方で、フォロワー数だけを評価してしまう企業は、Threads本来の価値を活かしきれません。
もちろん、フォロワー数が増えることは悪いことではありません。
しかし、それはファンが増えた結果としてついてくる数字です。
数字を目的にするのではなく、関係性を目的にする。
この考え方が、Threadsでは特に重要だと感じています。
まとめ
Threadsは、フォロワー数を競うSNSというよりも、企業とユーザーの関係性を育てるSNSです。
そのため、短期間で数字を伸ばすことだけを目的にすると、本来の価値を活かすことができません。
企業担当者が意識したいのは、「どれだけ多くの人に届いたか」だけではなく、「どれだけ深く伝わったか」という視点です。
コメントが増えること。
会話が続くこと。
企業の考え方に共感してくれる人が増えること。
こうした変化は、フォロワー数では測れない価値があります。
また、企業アカウントに必要なのは、個人アカウントのように振る舞うことではありません。
企業としての信頼感を保ちながら、人間味や温度感を伝えることです。
その積み重ねが、ユーザーとの距離を縮め、長期的なファンづくりにつながります。
Threadsは、成果がすぐに数字として表れるSNSではないかもしれません。
しかし、企業の価値観や姿勢を伝え、共感を積み重ねていくには非常に相性の良いプラットフォームです。
フォロワー数だけを追う運用から一歩離れ、「この企業の発信だから読みたい」と思ってもらえる関係を育てることが、Threadsを活用する上で最も重要な考え方ではないでしょうか。
:参考記事
