2026.7.29

2026年、企業のショート動画運用はどう変わる?これから求められるSNS戦略

はじめに

Instagramリール、TikTok、YouTube Shorts。

企業のSNS運用において、ショート動画は「やった方が良い施策」ではなく、「取り組むことが前提」の施策になりました。

ここ数年でショート動画市場は急速に拡大し、多くの企業が動画制作に力を入れています。

しかし一方で、SNS担当者からはこんな声を聞く機会も増えました。

「以前より再生されなくなった。」
「動画を増やしているのに成果が変わらない。」
「AIで簡単に動画が作れるようになったが、何を差別化すればいいのか分からない。」

実際に企業アカウントを運用していると、2024年や2025年に通用していた考え方が、そのままでは成果につながりにくくなっていると感じます。

以前は「ショート動画を投稿しているだけ」で一定のリーチを獲得できた時期もありました。しかし現在は、企業・個人を問わず動画投稿が急増し、競争環境は大きく変化しています。

さらに生成AIの普及によって、動画制作そのもののハードルは下がりました。

だからこそ、今後は「動画を作れる企業」ではなく、「成果につながる動画を設計できる企業」が選ばれる時代になります。

本記事では、2026年以降のショート動画市場の変化、AI活用による制作環境、アルゴリズムの変化、企業が今から準備しておくべきこと、そして今後求められるSNS運用戦略について、SNS運用会社として実際の現場で感じている変化をもとに解説します。

第1章 ショート動画市場は「成長期」から「競争期」へ

企業担当者が最初に理解しておきたいのは、市場環境そのものが変わったということです。

数年前までは、ショート動画を投稿している企業自体が少なく、動画を公開するだけでも一定の露出を獲得しやすい状況でした。

しかし現在では、大企業だけでなく中小企業、個人事業主、店舗、医療機関、自治体まで、多くの組織がショート動画を活用しています。

つまり、ユーザーが見る動画の総数は増え続けている一方で、ユーザーが視聴できる時間は大きく変わりません。

結果として、一つひとつの動画が競争しなければならない相手は年々増えています。

現場でも、「投稿本数を増やせば伸びる」という考え方は通用しにくくなっています。

以前は週に数本投稿するだけでも成果が見えやすかった企業が、現在では同じ運用では数字が伸びなくなっています。

その理由はアルゴリズムだけではありません。

視聴者自身がショート動画に慣れ、動画を見る目が厳しくなっていることも大きな要因です。

冒頭数秒で価値を感じられなければすぐに離脱されますし、他社と似たような内容では印象にも残りません。

だからこそ、今後は「投稿すること」ではなく、「なぜこの動画を見るべきなのか」を最初の数秒で伝えられる設計が重要になります。

第2章 AIによって動画制作は変わるが、運用は簡単にならない

2026年のショート動画を語る上で欠かせないのが生成AIです。

動画編集、画像生成、ナレーション、字幕作成、BGM制作、企画案の作成など、多くの工程をAIが支援できるようになりました。

私たち自身も日々の制作でAIを活用しています。

作業時間は確実に短縮され、以前なら数時間かかっていた工程が数十分で終わることも珍しくありません。

しかし、ここで企業担当者が勘違いしやすいことがあります。

それは「AIを使えば成果が出る」という考え方です。

実際には、AIは制作効率を上げるツールであって、成果を保証するツールではありません。

例えば、AIに「企業紹介動画を作って」と依頼すれば、それらしい動画は完成します。

ですが、その動画が誰に向けたものなのか、どんな悩みを解決するのか、視聴後にどんな行動を期待するのかまでは、自動で設計してくれません。

企業のショート動画で成果を左右するのは、「編集技術」よりも「設計力」です。

どのターゲットに届けるのか。

どの順番で情報を見せるのか。

どのタイミングで信頼を作るのか。

これらは依然として人間が考える必要があります。

AIによって制作スピードは速くなります。

だからこそ今後は、「早く作れる企業」ではなく、「何を作るべきか判断できる企業」が強くなります。

関連記事→企業のショート動画が伸びない本当の理由|再生数だけでは成果につながらない

第3章 2026年のアルゴリズムで重要になる考え方

企業担当者から最も多い質問の一つが、「アルゴリズムはどう変わりますか」というものです。

もちろん各SNSはアルゴリズムを詳細には公開していません。

ただ、実際の運用を続けていると、一つの流れは明確に感じます。

それは、「ユーザー満足度」を重視する方向へ進んでいるということです。

以前は再生回数や初速が話題になることが多くありました。

しかし現在では、保存、共有、視聴維持率、プロフィール閲覧、フォローなど、動画を見た後の行動がより重要になっています。

つまり、「最後まで見られたか」「役に立ったか」「もう一度見たいと思われたか」という指標が、以前よりも大きな意味を持つようになっています。

運用現場でも、再生数はそこまで多くなくても、保存率やプロフィール閲覧率が高い動画は、その後も安定して表示され続けるケースがあります。

一方で、一時的に再生数だけ伸びた動画が、その後まったく成果につながらないこともあります。

企業が意識すべきなのは、アルゴリズムの細かな仕様を追い続けることではありません。

「ユーザーが価値を感じる動画を作る」という本質は、今後も変わらないと考えています。

アルゴリズムを攻略しようとするよりも、視聴者を理解する方が、結果として長く成果につながります。

関連記事→2026年のInstagram運用は何が変わる?|企業が今すぐ見直すべきポイント

第4章 企業が今から準備しておくべきこと

これからのショート動画運用では、「動画制作会社に依頼する」「社内で編集できる人を増やす」といった話だけでは不十分です。

重要なのは、動画を継続して作れる仕組みを作ることです。

例えば、一つのテーマから複数本の動画を作る設計です。

一つのブログ記事からショート動画を数本作る。

セミナー内容を短く切り出す。

営業現場でよくある質問をシリーズ化する。

こうした形でコンテンツを資産として活用できる企業は、制作コストを抑えながら継続運用できます。

また、担当者個人に依存しない運用体制も重要です。

「この人しか企画できない」「この人しか編集できない」という状態では、担当変更があった瞬間に運用が止まります。

動画の目的、ターゲット、構成、デザインルール、分析方法までを共有し、誰でも一定品質で運用できる状態を目指すことが、長期的には大きな強みになります。

運用現場では、「動画一本の完成度」よりも、「半年間継続できる仕組み」の方が成果へ与える影響は大きいと感じています。

第5章 これからのSNS運用は「媒体」ではなく「コンテンツ」で考える

以前は、「Instagramを頑張る」「TikTokを始める」といった媒体中心の考え方が一般的でした。

しかし現在は、その考え方も少し変わり始めています。

ショート動画は、一つ作れば複数の媒体で活用できます。

Instagramリール、TikTok、YouTube Shortsはもちろん、Xやnote、ブログにも展開できます。

重要なのは、どの媒体に投稿するかではなく、「どんな価値を届けるコンテンツなのか」です。

私たちも最近では、まずテーマを決め、そのテーマからブログ、ショート動画、図解投稿へ展開する設計を行うことが増えています。

この方法であれば、一つの情報をさまざまな形で届けられるため、運用効率も高まります。

企業担当者がやりがちなのは、媒体ごとにゼロから企画を考えることです。

その結果、毎月ネタ切れになります。

そうではなく、「伝えたいテーマ」を先に決め、その見せ方だけを媒体に合わせる方が、長く運用しやすくなります。

2026年は、「動画担当」ではなく、「コンテンツ担当」という考え方がより重要になっていくでしょう。

第6章 成果を出す企業は「投稿」ではなく「設計」を改善している

企業ショート動画を分析していると、成果が出る企業には共通点があります。

それは、投稿後に必ず改善を行っていることです。

「再生数が低かった」で終わるのではありません。

どこで離脱されたのか。

保存された理由は何か。

プロフィールまで見てもらえたのか。

問い合わせにつながった動画には共通点があるのか。

こうした分析を積み重ねています。

反対に成果が伸びない企業は、「今月は何を投稿しようか」という話だけで終わってしまいます。

企画は増えても、改善がありません。

ショート動画運用は、一発の成功を狙う施策ではありません。

毎月データを見ながら改善を繰り返し、小さな成功を積み重ねていく運用です。

その積み重ねが半年後、一年後に大きな差になります。

2026年以降は、動画制作そのものよりも、「改善できる企業」が成果を出し続ける時代になるでしょう。

まとめ

2026年のショート動画市場は、これまで以上に競争が激しくなります。

AIによって制作のハードルは下がりますが、それだけでは成果は生まれません。

これから求められるのは、動画を大量に作ることではなく、誰に何を伝え、どのような行動につなげたいのかを設計できる力です。

また、アルゴリズムを追い続けるよりも、ユーザーが価値を感じる動画を作り続けることが、結果として長く評価される運用につながります。

さらに、一つの動画だけを見るのではなく、ブログ、図解投稿、SNS全体を連携させたコンテンツ設計も重要になります。

企業のショート動画運用は、単なる動画マーケティングではなく、企業全体の情報発信を支える基盤へと変わりつつあります。

変化の早いSNSだからこそ、流行だけを追うのではなく、「どんな時代になっても価値が伝わる発信とは何か」を考え続けることが、これからの企業SNS運用で最も重要な視点になるでしょう。

:参考記事

https://funmake.net/blog/short-video-platforms

https://freedoor.co.jp/blog/youtube-shorts-tiktok-reels-comparison/

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